本研究の目的は,共生に関する指導内容を取り入れた体育授業プログラムを開発し,その効果を検討することであった.目的を達成するために,本研究ではTranstheoretical Modelを体育授業に適用したProgram of Transtheoretical Model in Physical Education(以下,PTTM-PEと略す)を開発した.
その結果以下の4点が示された.第一に,PTTM-PEは,上位群の「運動の共生」の中央値を高い値で維持し,下位群の「運動の共生」の中央値を有意に向上させた.
第二に,PTTM-PEは,上位群の学びに向かう力,人間性等体育授業評価尺度(以下,学人尺度と略す)における総合平均値の中央値を高い値で維持し,下位群の学人尺度における総合平均値の中央値を有意に向上させた.第三に,関心局面において消極的関心局面及び積極的関心局面の2つのサブステージが見られた.第四に,70%の生徒(30名中21名)において変化の段階の向上が見られた.
抄録全体を表示