テトラヒドロフランのような極性非プロトン溶媒の中でナトリウムナフタリンのラジカルアニオンからスチレンモノマーへの1電子移動,それに続くスチレンのラジカルアニオンの2量化を開始反応とするリビングアニオン重合が発見され,分子量のそろった単分散ポリスチレンやブロックコポリマーの合成はリビングアニオン重合によって可能となった.それから35年が過ぎたが,ビニルモノマーのカチオン重合法によるリビングポリマー,あるいは金属ポルヒリンを用いた環状エーテル類のリビングポリマーの合成など,リビングポリマーの合成は大きく発展してきた.ここではリビングポリマーの開発の進歩について述べる.
抄録全体を表示