【目的】Short Physical Performance Battery(SPPB)はバランスおよび下肢筋力を総合的に測定できる評価法であり,国内においても広く利用され始めている。SPPB と既存の測定法との関係性を検証することを,本研究の目的とした。【方 法】2015 年 9 月〜 2016 年 3 月に入院かつリハビリテーションを実施し,退院時に介助なしで平地歩行が可能であった 65 歳以上の患者 234 名を対象とした。SPPB,Timed-up and Go test(TUG),Functional Balance Scale(FBS),Functional Reach Test(FRT),膝伸展筋力,握力を退院前の1週間のうちに測定した。spearman の順位相関係数を用い相関分析を行った。次に,下肢疾患の有無によって2群に分け,同様に相関分析を行った。【結果】SPPB,TUG,FBS,FRT,握力および膝伸展筋力は,すべての項目間で有意な相関を認めた。下肢疾患の有無によるサブグループ解析では,下肢疾患あり の握力とTUG、FRTの関係性を除き、すべての項目間で有意な相関を認めた。【結語】下肢疾患の有無を考慮しつつ, SPPBを用いることで急性期から亜急性期の入院患者の身体機能を評価できる可能性が示唆された。
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