一次元線形の場合の海域を含めた河川潮汐の近似解を求め, 各種要素の影響を調べる。その際背水曲線を河口距離の陽関数で表わす試みを行なう。つぎに現実に即して, 非線形性と湾・デルタ等の複雑な地形を考慮した数値計算を述べ実測と比較する。さらに, 河川流量の増大は大きな河川潮汐の減少を生じ, 減少の度合は河川内に入るほど顕著になることを示す。これは感潮域の設計潮位を考える際, 十分留意すべきことである。河口域の潮汐を含む水理計算では, 境界条件を水深10m以上の海側に設ける必要があることも示される。
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