高等教育機関が行政と連携して行う気候市民会議(以下「学生版気候市民会議」という.)が若者の政策提言能力・課題解決能力を向上させ,同時に価値観の変容を促す手法としての可能性,並びに市民の意見が政策に反映される参加型手法としての意義について明らかにする.信州大学経法学部の講座の中で行った学生版気候市民会議では,専門家等による講義,学生同士や市職員との熟議等を通じて松本市のゼロカーボン実現計画に対する政策提案を松本市長に提出した.当該会議を通じ多くの学生は環境問題を自分事化し政策提言能力を培うことが観察され,さらに,ゼロカーボン実現計画への反映など環境政策の参加型手法としての一定の意義が示された.
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