環境経済・政策研究
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最新号
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学術研究論文
  • 林田 明子
    2019 年 12 巻 1 号 p. 1-16
    発行日: 2019/03/28
    公開日: 2019/05/11
    ジャーナル フリー

    環境規制の緩い国へ投資が惹きつけられるとする汚染逃避効果について,先行研究では,同効果を支持する結果もあれば逆の結果もある.本稿では,環境配慮への関心が高まっている日本に関し,製造業のうち汚染集約的なパルプ・製紙産業,化学・医療産業,鉄・非鉄・金属産業の3つの産業で,2006~2016 年の対外直接投資が投資先(北米,欧州,アジア大洋州の24か国・地域)の環境規制の緩急に影響されているか,環境関連条約の批准状況を代理変数として計量的に分析した.その結果,パルプ・製紙産業及び化学・医療産業で一部のモデルで正の効果が,鉄・非鉄・金属産業でほぼすべてのモデルで正の効果が推定され,汚染逃避と逆の効果が示された.

  • 渡邉 理絵
    2019 年 12 巻 1 号 p. 17-32
    発行日: 2019/03/28
    公開日: 2019/05/11
    ジャーナル フリー

    本稿は,シュターデ市を事例として,ドイツ連邦政府が原子力発電所の段階的廃止を決定・実施する過程を,市,州,電力会社の関与に焦点をあてて分析した.その結果,1)電力会社は連邦政府と直接交渉する機会を得て,早期に廃炉にする原子力発電所の稼働容量を他の発電所に移転するなどの条件を盛り込むことに成功した,2)シュターデ市は決定に関与する機会はなかったが,連邦の決定後,経済再建,雇用確保において連邦,州,電力会社の支援を確保した,3)ニーダーザクセン州は社会民主党政権時に連邦に先駆けて脱原発を決定したが,連邦の決定後は,シュターデ市の意向を受けて,原発維持を求める議員も出現した,ことが明らかになった.

  • 木村 啓二, 大島 堅一
    2019 年 12 巻 1 号 p. 33-43
    発行日: 2019/03/28
    公開日: 2019/05/11
    ジャーナル フリー

    日本では,回避可能費用は,固定価格買取制度のもとで再生可能エネルギー電気の買取りにかかる追加費用を計算するために用いられている.回避可能費用の概念は,アメリカでは,卸電力市場が未整備な状況下において再生可能エネルギー電気の買取価格を設定するために用いられてきた.本稿では,回避可能費用の概念を再検討し,実際の回避可能費用により近い計算方法のあり方を検討する.それに基づき,日本の固定価格買取制度における回避可能費用額を試算し,経産省の計算方法と比較した.その結果,経産省の計算方法による回避可能費用は,過小評価されており,結果として賦課金の過剰な算定につながっている可能性があるとの結論を得た.

  • 田中 勝也, 長廣 修平
    2019 年 12 巻 1 号 p. 44-58
    発行日: 2019/03/28
    公開日: 2019/05/11
    ジャーナル フリー

    本研究は,滋賀県の森林による生態系サービスの経済的価値を,回答者に他者の選好を推測させる推論評価により推定し,従来型の主観評価と比較分析した.滋賀県,京都府,大阪府で琵琶湖・淀川水系内に居住する住民を対象とした分析結果によれば,推論評価による限界支払意思額(MWTP)は,主観評価のものを大きく下回り,バイアスが低減されて経済的価値がより適正に評価された可能性が示唆された.府県別の推定結果によれば,生物多様性保全機能に対するMWTPが有意なのは滋賀県のみであった.京都府・大阪府の回答者は,土砂災害防止機能や水源涵養機能など,より生活に直結した機能を重視しており,県外の生物多様性保全には消極的と考えられる.

環境論壇 東京オリンピック・パラリンピックと環境問題
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