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インターネットによるビジネスモデルでは,PF企業と既存企業とが,協調と競争を同時に行うコーペティションを選択するケースがある。しかし,価値創造と価値獲得との矛盾から緊張が生じる関係性のマネジメントは容易ではない。本稿では,国内のニュース配信サービスであるYahoo!ニュースの事例研究を通じて,PF企業がコーペティションの緊張管理とPF成長戦略の両立を行うために,BMIを繰り返すことを明らかにする。
本研究は、業務プロセスの標準化とチーム体制の整備を行った営業組織を対象とした事例研究により、リーダーの行動と心理的安全性の関係をチームの特徴がどのように調整するかを明らかにする。分析の結果、チームにおける目標の相互依存性、役割の分担と明確性を高めることで、プロセスを共有するための言語・規範が生じ、リーダーのコーチング行動が心理的安全性に繋がることが示唆された。
本研究は,国内における高度外国人材の雇用を事例とし,外的整合性と内的整合性の論理がせめぎ合うなかで,いかに日本企業が自社の外国人雇用を意味づけ,実践しているのかを実証的に考察した.外国人雇用に関する本社人事部へのインタビューからは,外的/内的整合性の均衡点を求めた綱引きゲームが行われた結果,留学生活用をその実践の暫定解とみなす共通見解がある一方,その意味づけと実践の内実には企業間で差異がみられた.
基幹系システムを導入する際にコア・コンピタンスとの適合性を考慮する必要があると言われている。基幹系システムの導入は、基本的にベンダー企業と契約して行われる。そのため、ユーザ企業だけでなく、ベンダー企業の能力も重要な役割を担う。本研究では、コア・コンピタンスと基幹系システムの適合性に焦点を当て、ユーザ・ベンダー企業のITケイパビリティとの関係性について実証分析を行う。
本稿は,株主の議決権行使が,日本企業における社外取締役の普及を推進したかを実証的に検討する.2010年から2020年の東京証券取引所上場企業を分析した結果,社外取締役を設置していない企業では経営者の選任議案への株主の反対が増加し,その傾向は海外機関投資家による保有が多い企業,CGコード適用後において顕著になること,また,株主の反対が多い企業ほど社外取締役を新たに設置することが明らかにされた.
アントレプレナーのストーリーテリングの影響力に関する研究は、今世紀に入って活発化してきた比較的新しい研究領域であり、先行研究でも、その影響力のメカニズムは十分に検証されていない。日本のIPO市場のデータを使った本研究の分析結果は、アントレプレナーのストーリーテリングによって伝えられる、特にベンチャーのアイデンティティを構築する効果が、外部からの資源獲得に影響を及ぼしている可能性を示唆している。
本研究では,革新指向性の相対的知覚に基づき,創造的逸脱を導く心理的・社会的要因がどのように異なるかを質問紙調査により検証した.その結果,職場革新知覚群では,情緒的OCが高く,継続的OCが低く,チーム学習が活発であるほど,創造逸脱行動が生起していた(忠誠的メカニズム).一方,自己革新知覚群では,情緒的OCに加え,TMXの高さと職務不満足により創造的逸脱が導かれていた(反抗的メカニズム).
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