1. 朝鮮近海から採集したスルメイカ稚仔の記載を行なひ, 成長に伴ふ體部の比の變化を明かにした.2. 今迄に採集し得た最小形の稚仔は外套背長4.5粍のものである.外套背長7.4粍以下のものは左右の觸脚柄部の先方が相合して1本となり, 所謂Rhynchoteuthis期の特徴を示す.3. 稚仔は成長に伴なひ體部の比の値が變化する.外套背長40粍内外で外套部の形態, 鰭の形態等は成體と同様になり, 爾後は體の各部は相對的に増大して行くので比の値は略一定となる.4. 完熟卵巣卵は直徑0.78∿0.84粍あり, 略球形で個々分離し, 卵黄は飴色で透明である.5. スルメイカの如く相當廣範圍に亙る〓游移動を行なふものでは, 廣範圍に亙つて廣く資料を蒐集調査しなければ, 産卵期, 産卵場等の完全なる知識を得ることは困難である.
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