山口医学
Online ISSN : 1880-4462
Print ISSN : 0513-1731
ISSN-L : 0513-1731
55 巻, 4 号
選択された号の論文の2件中1~2を表示しています
ミニ・レビュー
  • 石本 敬三
    2006 年 55 巻 4 号 p. 125-131
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/30
    ジャーナル フリー
    多種多様な病態を有する入院・外来患者へ的確な薬物を投与するには,医薬品情報に精通しておくことは勿論であるが,病名,検査値など患者の基本情報を常に考慮しながら調剤,無菌調製,服薬指導などの任にあたらねばならない.特に,強力な細胞毒性を有し,重大な副作用を引き起こす恐れのある抗癌剤ではなおさらである.しかし,従来の薬剤業務では,手にした処方箋の内容をチェックするのが精一杯で,内服薬と注射薬との相互作用,数週間も遡る処方との併用禁忌,患者の病態によって投与できない薬剤などを瞬時に発見することは不可能であった.これを解決するため,病院情報システムから逐次変化する患者の基本情報,頻繁に更新される薬歴などを効率良く,確実に取り込み,リアルタイムで処方内容を監査するシステムを構築した.本システムにより,薬剤業務の習熟度によらず,癌化学療法などあらゆる薬物療法の適正化に全ての薬剤師が大きく貢献できている.
症例報告
  • 岡 一斉, 瀬山 厚司, 藏澄 宏之, 竹本 圭宏, 都志見 貴明, 井口 智浩, 守田 知明
    2006 年 55 巻 4 号 p. 133-137
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/30
    ジャーナル フリー
    症例は91歳男性.約30年前に胃潰瘍で幽門側胃切除術,Billlroth II法再建術を施行された既往がある.平成15年12月便秘を主訴に来院し,精査加療目的で当院入院となった.小腸透視で胃空腸吻合部より約100cm肛門側の空腸に楕円形の透亮像,CTで含気を有する腫瘤像を,腹部エコーで音響陰影を伴う腫瘤影が認められ,残胃胃石による小腸閉塞と診断された.手術は腹腔鏡下に開始したが癒着が高度であったため開腹術に移行した.胃空腸吻合部より約70cm肛門側に結石を触知し,結石を含む15cmの小腸を切除した.5.5×3.9cm大の結石で,小腸粘膜面には潰瘍が形成されていた.結石成分は98%以上がタンニンであった.胃石による小腸閉塞は腸管穿孔の危険性もあり,早期診断による外科手術が重要である.
feedback
Top