山口医学
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56 巻, 5 号
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症例報告
  • 中野 雅之, 柳井 秀雄, 坂口 栄樹, 谷岡 ゆかり, 林 弘人, 河村 宜克
    2007 年 56 巻 5 号 p. 161-165
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/11/26
    ジャーナル フリー
    手術リスクが高いと推定される97歳女性の超高齢者穿通性潰瘍例を,保存的に加療した.超高齢者での穿通性胃潰瘍の治療においては,外科的治療のリスクの観点から,治療法の選択が問題となる.筋性防御などの腹膜炎症状が乏しい事と,腹水が見られない事が保存的加療の選択に重要と考えられた.今後の高齢化社会において,貴重な経験と考え報告する.
  • 能美 典正, 柳井 秀雄, 古谷 卓三, 高尾 康一郎, 海老原 麻子, 沖田 幸祐, 岡本 健志, 西川 潤, 吉田 智治, 坂井田 功
    2007 年 56 巻 5 号 p. 167-171
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/11/26
    ジャーナル フリー
    症例は88歳女性.心窩部痛のため,近医にて上部消化管内視鏡検査を受け,陥凹型(0III型)早期胃癌病巣を指摘された.超音波内視鏡検査にて深達度が粘膜下層まででかつ,潰瘍性変化を伴っており,根治的EMRの適応外であった.E-PASS scoring systemによる外科手術後の予測死亡率は13.8%であり,外科手術のリスクもやや高く,家族は手術拒否であった.このため,早期胃癌病巣に有効で安全性の高い内視鏡的治療としてのphotodynamic therapy(PDT)を選択した.1年間の経過観察で, PDTにより腫瘍の一時消失が得られている.分化型早期胃癌の治療では,PDTは早期胃癌に対する第一選択の治療手技としては位置づけられていないが,今後の高齢化社会において,本例のような根治的EMR適応外ながら外科手術のリスクのやや高い・手術拒否の高齢者における有用な姑息的治療手段であると考えられた.
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