【目的】緊急被ばく医療に対応可能な放射線緩和剤の開発につなげるため,インドール化合物であるDIM, GRM, INMの放射線緩和作用とその機序を調査した.【方法】ヒト正常肺線維芽細胞株へ0–4 GyのX線照射後50–60分に10 µMのインドール化合物または0.1% DMSOを単独投与し,生存細胞数,コロニー形成能,DNA 2本鎖切断頻度,DNA損傷修復活性,いくつかの酸化ストレス応答関連タンパク質発現量を解析した.【結果】DIM投与はDNA 2本鎖切断頻度の有意な低下,Nrf2およびp-GSK3β(Ser9)発現量の増加を伴い,生存細胞数とコロニー形成能の低下を和らげた.【結語】DIMが,一部ではNrf2の活性化やDNA 2本鎖切断頻度の低下を介し生存細胞数とコロニー形成能の低下を和らげるため,放射線緩和剤の候補物質として有望であることを示した.一方,GRMとINMは相応でないことを示した.
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