NHK放送文化研究所では、全国の学校現場におけるメディア環境の現状を把握し、放送、インターネット、イベントなどNHKの教育サービス利用の全体像を調べるために、1950年から定期的に学校あるいは教師個人を対象として全国調査を行っている。2024年度は3年ぶりに小学校の教師個人を対象とした。なお、調査方法はこれまでの教師対象の調査から一部変更している。
2021年度の結果と比べると、タブレット端末を利用できる環境にある教師(96%→97%)、インターネットを利用できる環境にある教師(98%→99%)の割合は変わらないが、いずれも「ほとんど毎日」の利用が増えていた。また、1人1台ずつ児童に配付されたパソコンやタブレット端末(「GIGAスクール端末」)を授業で児童に利用させている教師は98%に達している。
授業でのメディア教材の利用についてみると、「NHK for School教師利用率(小学校)」が、2021年度の88%から94%に増加していた。次に利用の多かったのはYouTube(73%)で、授業での動画の利用が盛んであった。
教師が児童の家庭学習にどのような支援を行っているのかについては、「教科書の利用」や「市販ドリルやプリント教材の利用」と、紙教材での支援が2021年度と変わらず多く、動画教材や学習支援ツールの使用は限定的であった。
GIGAスクール構想により、授業での1人1台の端末利用、動画の利用が広がってきた現在、学校と家庭の両方の学習を見渡した学習のトータルデザインを考える必要がある。
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