インターネットの普及に伴って, 種々のトラブルが発生している. 学生が大学の施設設備を使用し, インターネットを介して第三者に損害を与えたり, 学生が損害を受けた場合, 損害を与えた第三者や損害を受けた学生に対して, 大学が社会的責任や法的責任を負う可能性がある. 大学が管理責任に基づいて立てるべき対策のガイドラインの骨子について述べている. まず, インターネットを介して発生した具体的トラブル事例として, 刑事法上の違法行為, 著作権侵害行為, プライバシー侵害行為について述べ, 次に大学の教育不足からくる問題点を分析し, 情報倫理教育, 日本語, 外国語の表現技法教育, 文化摩擦の防止やネットワークエチケット(ネチケット)教育の必要性をとりあげている. インターネットの責任ある利用と大学の管理責任に関するガイドラインの骨子としては, 情報倫理規定の整備, 情報倫理教育の実施, 違反に対する即時の対応の体制の確立について提案している.
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