(1) 水田には, 単細胞, 群体性, または糸状体の28種の緑藻類があったが, とくに水稲に対して影響の大きい緑藻類は, 浮水雑草の
アミミドロ
とヒビミドロであった。
(2) 水田での発生は, アオミドロとヒビミドロでは2~3年回,
アミミドロ
では1~2回で, 発生に好適な水温は, 前2者では15~20℃,
アミミドロ
では22~25℃と考えられる。
(3) アオミドロでは2本の糸状体が細胞ごとに接合して接合子が形成される。
アミミドロ
は3回の無性生殖世代を経過した後, 1細胞2個の接合子を形成する。また無性生殖世代では1細胞1個体の繁殖法をとる。
(4)
アミミドロ
の生育・繁殖にはNとPが必須成分であり, とくにPは繁殖に不可欠な成分である。
(5)
アミミドロ
の繁殖量が多いほど水温・地温の低下が大きく, そのため水稲の分げつの発生が抑制される。
(6) 藻類の発生前, 発生時の薬剤による防除について検討し, 防除の手段を得た。
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