当社では世の中の省エネ化の動きに伴い, JIS規格の特性基準値よりも損失をさらに低減した高効率変圧器を開発した。
本稿では, まず高効率トランスが普及してきた背景として省エネの動向とエネ革税制の内容をのべた後, 変圧器に関連したJISおよびJEM規格の変遷について説明し, その中でも特にJEM規格の高効率油入変圧器の特性基準値の考え方について詳しく説明している。
次に, 省エネ技術についで紹介し, 変圧器の損失構成について数式を用いて説明し, これらの損失を低減するための対策案について具体的な方法を述べている。
また, 現在市場で取り扱われている三つの高効率トランスである「高効率変圧器」「超高効率変圧器」「
アモルファス変圧器
」の違いについて説明し, これらの変圧器の特性, 寸法, 構成材料について比較表でまとめている。
最後に, 高効率変圧器選定の目安となる考え方について述べている。変圧器を選定するには, トータルコストの比較が必要である。本章では, 具体的な例として償却年数10年, 負荷率60%における変圧器損失からランニングコストの計算を行い, イニシャルコストを加えてトータルコストを算出し, 各種高効率変圧器のトータルコスト比較を行っている。
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