腹腔鏡下肝生検を施行し生検組織にて
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性肝線維症と診断された35症例中,腹腔鏡像が鮮明な30例を,文部省「
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と肝」研究班の組織基準に従い,I度8例,II度15例,III度7例に分けてその腹腔鏡像を検討した.I度では,繊細な点状または樹枝状白斑を示す例が各4例ずつ認められたが,微細な小区域化または微細なprenodular elevationの存在する例は無かった.II度では径0.5~1.5mm大の小区域化(繊細な網目状構造)を示す例が7例(46.7%),さらにほぼ同大の微細なprenodular elevationの存在するものが6例(40.0%)に認められた.III度では小区域化(繊細な網目状構造)が認められるもの6例(85.7%),さらに微細なprenodular elevationは全例に認められた.
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性肝線維症の進行過程における腹腔鏡上の変化は,ウイルス性慢性肝炎に似て区域化→prenodular elevation→結節の順であるが,変化が肝小葉単位の微細なものであった.
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