天然産クリンベリルを種子結晶として用い,一定温度1000℃,最高1285時間の条件下で,V205フラックス法で
アレキサンドライト
単結品を育成した。種子結晶と母剤付近の温度差は5~20℃であった。V206フラックスに対する合成
アレキサンドライト
と天然産クリンベリルの溶解度曲線を調べた。その結果,1000℃では両者とも約3.69/1009(V205魚x)溶解した。V206フラックスの蒸発速度(1000℃)は約0.59/dayであった。最大成長量は温度差20℃,1285時間の条件下で約0.739(大体3,7カラット)であった。育成結晶にはc(001),o(111),m(110),b(010)と非常に小さい面(s(O
2-1),r(O
2-1)とM(011))が発達していた。育成
アレキサンドライト
の各面の成長速度はつぎの順であった。
o(111)>c(001)>m(110)
orc-とm-面の線成長速度はおのおの大体4.2×10繍3,2.8×10-3と1.5×10 3mm/hrであった。またo-,c-とm-面上におのおの細長い楕円形,細長い六角形と正方形の成長模様が観察された。自然核生成により成長した
アレキサンドライト
単結晶が白金製熱電対用管上に生成し,その最大の大きさは大体8×3×7mm3であった。発光分光分析結果から,合成
アレキサンドライト
単結晶はバナジウムおよび鉄を含有せず,単結晶の純度は非常に高いと思われる。
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