京都大学芦生演習林内のスギ人工林,ブナ・ミズナラ・スギ天然林およびブナ天然林で土壌の層位ごとの大型土壌動物の構成,個体数,現存量とその増減,それに関与する土壌の理化学的性質や根の量,meso fausa, CO
2発生量などとの関連を調べた。大型土壌動物の個体数・現存量は,スギ林で286/m
2,7.788g/m
2,ブナ・ミズナラ・スギ天然林で290/m
2,8.829g/m
2,ブナ天然林で229/m
2,20.945g/m
2で,現存量はミミズ,ヤスデ,セミ類.幼虫,コガネムシ類幼虫など大きなものによって占められた。これら個体数や現存量はA
0層および表層土,とくに,A
1,A
2層に集中しており,ほぼ全個体数および全現存墨の90%を占める。
個体重の小さなもの(30mg以下)は,主としてA
0層や表層土に生息し,その数は多い。個体重100mg以上の大きなものは土壌中の比較的深いところに生息し,その個体数は少なかった。
大型土壌動物は生息範囲によって,主として土壌表層に生息するものと土壌中深いところに生息するものとに大別することができる。比較のために抽出したmeso faunaもA
0層,A
1,2層に多かった。
大型土壌動物の個体数や現存量は,土壌深度が深くなるにつれて減少しているが,それは土壌の孔隙量,CO
2発生量,土壌の炭素含有率,根の量などと関連があるように思われた。
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