居宅介護支援事業所に勤務する介護支援専門員(ケアマネジャー;CM)のC型肝炎に関する知識や,利用者および家族における把握状況や介護施設における差別等を調査する目的で,ウェブを用いた全国アンケートを実施した.
有効回答数は697件であった.C型肝炎の感染経路や自然経過について80%以上のCMが理解していたが,経口薬のみで治療できることは28.0%に留まった.担当利用者(平均30.8±17.0人)のうち,C型肝炎と診断されている人数は平均0.55±1.05人であった.C型肝炎を理由に入所やサービス提供を断る介護施設や事業所が存在すると答えたCMは37.7%で,実際に不利益を被った経験があったと答えたのは8.2%であった.CMの40.5%は,社会的な意義があるなら肝炎医療コーディネーターになってもよいと回答した.
C型肝炎に関する正しい知識や受検・受療の医学的・社会的意義を共有することで,CMはC型肝炎対策の重要な一翼となり得る可能性が示唆された.
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