目的
インターレース
糸を順次切断し, その切断面の顕微鏡写真を撮影する.すべてのフィラメントの位置を, デジタイザでコンピュータに入力する.糸断面積, フィラメント間の距離および交差角の断面内平均値を定義し, これらの量と個々のフィラメントの位置の糸軸方向変化を調べる.又, 原糸および仮撚加工糸と比較することにより,
インターレース
糸の構造を定量的に明らかにする.ただし, ポリエステルのマルチフィラメント糸 (150d/48f) を使用する.成果 (1) 原糸は, 直線状のフィラメントが平行に並んだ構造で, 平均交差角は2°である.仮撚加工糸は, 断面積0.17mm2, 平均距離0.23mm, 平均交差角27°のかさ高なクリンプ構造となっている.(2) 仮撚加工糸を
インターレース
加工した糸は, 開繊部では断面積0.25mm2, 平均距離0.28mm, 交絡部では断面積0.04mm2, 平均距離0.11mmで, 平均交差角は開繊部, 交絡部ともに30°である.仮撚加工の影響が極めて強いため, 交絡部の長さは短く, 平均交差角は仮撚加工糸の値とほぼ同じである.フィラメントは交絡部において絡合い, 開繊部では仮撚加工糸と同様にかさ高なクリンプ構造になっている.(3) 原糸を
インターレース
加工した糸は, 開繊部では断面積0.35mm2, 平均距離0.3mm, 平均交差角8°, 交絡部では断面積0.02mm2, 平均距離0.08mm, 平均交差角17°である.仮撚加工糸を
インターレース
加工した糸の場合と異なり, 開繊部と交絡部の差はいずれの量についても顕著に現れている.フィラメントの絡合いは交絡部で生じ, 開繊部ではフィラメント同士はほとんど絡合わず, 原糸と同じ構造である.
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