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クエリ検索: "エデアグス"
22件中 1-20の結果を表示しています
  • 那須 義次
    日本応用動物昆虫学会誌
    2012年 56 巻 2 号 65-67
    発行日: 2012/05/25
    公開日: 2012/06/07
    ジャーナル フリー
    Carposina coreana Kim, which was newly recorded in Japan, was caught in a synthetic sex pheromone trap for the peach fruit moth, C. sasakii Matsumura, in Fukushima Prefecture in 2011. The adult and genitalia of C. coreana are illustrated. This species is distinguishable from C. sasakii in having a white head, white base of the forewing, a costal dark brown patch divided by a wavy white line, tapered gnathos and protruded costa of valva in the male genitalia. The larva is known as an important pest of the fruit of Cornus officinalis (Cornaceae) in Korea and China.
  • 那須 義次, 富岡 康浩
    都市有害生物管理
    2019年 9 巻 2 号 43-47
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/12/20
    ジャーナル フリー
    貯穀害虫の可能性のあるニセコクマルハキバガMartyringa ussuriella と貯穀害虫のコクマルハキバガ M. xeraula について,成虫,交尾器(雌雄),幼虫の形態的な特徴を示し,2 種の識別点を解説した.
  • 宮ノ下 明大, 那須 義次
    ペストロジー
    2023年 38 巻 1 号 17-18
    発行日: 2023/03/24
    公開日: 2024/03/24
    ジャーナル フリー

    2022年6月,茨城県つくば市の一般住宅地のマンション3階ベランダに設置されたノシメマダラメイガ用のフェロモントラップに,ニセコクマルハキバガの雄1個体が捕獲された.本州での本種の採集記録として,和歌山県,大阪府,神奈川県,東京都に続く記録であった.

  • 小林 茂樹
    蝶と蛾
    2015年 66 巻 3-4 号 90-95
    発行日: 2015/12/28
    公開日: 2017/10/14
    ジャーナル フリー
    原記載以降,ほとんど記録がなかったクリハモグリガについて分布,寄主植物,幼生期などの情報を追加した.クリハモグリガLyonetia (Lyonetiola) castaneella Kuroko, 1964 本種はKuroko(1964)によって福岡県英彦山産の標本(1954-1955年黒子浩採集)をもとに記載され,後に大阪府箕面産の標本(1975年斉藤寿久採集)が追加記録されたが,それ以降は追加記録がなく,幼生期はKuroko(1964)による記述のみの簡単な記録があるだけで詳細な報告はなかった.著者は,2015年8月中旬から10月中旬に奈良県曽爾村,三重県名張市においてイヌシデ(カバノキ科)とクリ(ブナ科)にそれぞれ潜るハモグリガ幼虫を採集した.当初は,先端が枯れた葉と思われたが,幼虫と糞粒が確認でき,羽化した成虫を検討した結果,交尾器の特徴などから本種と同定した.(原記載では,
    エデアグス
    先端の結節構造は小さく描かれているが,実際は
    エデアグス
    の長さの1/3に達する).分布と寄主を追加するとともに,これまで報告がなかった幼虫の潜孔,蛹,マユなどの写真を図示した.幼虫は,寄主植物の低い木の若い枝に発生し,柔らかい新葉のみでみられた.潜孔は不規則な斑状で葉の先端付近からやがて葉身全体に拡がった.糞粒の一部は潜孔表面に開けた無数の小孔から排出された.イヌシデでは,糞粒は複数のかたまりで潜孔中に残され,排出は確認できなかった.幼虫は,一つの潜孔に1〜3個体の幼虫が確認でき,孵化から7日程度で摂食を完了して潜孔を脱出した.葉の被摂食部分は萎縮して茶色く枯れたようになりやがて脱落した.これまで本種の採集記録が少なかったのは,発生が展葉初期の葉に限られること,古い潜孔が枯葉にみえることなどのためと考えられる.寄主植物:クリ,クヌギ(ブナ科),イヌシデ(カバノキ科)(新記録),国外ではハンノキ(カバノキ科)が知られる.分布:本州:大阪府,奈良県(新記録),三重県(新記録),九州:福岡県;国外ではロシア沿海州.
  • 長田 庸平, 坂井 誠, 黄 国華, 広渡 俊哉
    蝶と蛾
    2013年 64 巻 1 号 30-35
    発行日: 2013/04/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    Robinson(1986)はアトモンヒロズコガMorophaga bucephalaとその近縁種であるM. vadonella,M. soror,M. cremnarchaの計4種をbucephala種群としてグルーピングした.その後,Ponomarenko & Park(1996)は韓国京畿道でアトモンヒロズコガに近縁なM. parabucephalaを新種として記載した.どの種も前翅の後方に茶色い大きな斑紋を有し,種によってその斑紋の形状がわずかであるが異なっている.交尾器の形状は上記の近縁種間で顕著に異なるが,成虫の斑紋が互いによく似ているため国内でも交尾器の形状に基づいた分類学的な情報が必要であると考えた.著者らは国内各地の「アトモンヒロズコガ」とされている標本を解剖し,交尾器を観察した.その結果,北海道から八重山までのほとんどの地域で得られた個体はM. bucephalaであることを確認したが,大分県日田市産の交尾器の形状がM. bucephalaとは顕著に異なり,朝鮮半島に分布するM. parabucephalaと同定できた.国内ではこの種を大分県日田市のみで確認したが,国外では朝鮮半島の他に中国広東省南嶺山脈でも確認した.なお,本種の雌交尾器を初めて図示した.1.Morophaga parabucephala Ponomarenko & Park,1996(新称) ニセアトモンヒロズコガ(Figs 1a, 2a, 3a-h) 前翅後縁の暗褐色斑の基部の幅が狭く,外縁が蛇行する.雄交尾器のバルバの後縁は直線状,サックスは細く,
    エデアグス
    は非常に細長い.雌交尾器の交尾口周辺の縁は中央で切れ込む.分布:九州(大分県);韓国(京畿道),中国(広東省)寄主:不明 2.Morophaga bucephala(Snellen,1884) アトモンヒロズコガ(Figs 1b, 2b, 4a-h) 前翅後縁の暗褐色斑の基部の幅が広く,基部が丸みを帯びる.雄交尾器のバルバの後縁は強く窪み,サックスはやや幅広く,
    エデアグス
    は細長い.雌交尾器の交尾口周辺の縁はより強く切れ込む.分布:北海道,本州,四国,九州;ロシア,中国,韓国,インド,ビルマ,マレーシア,スラウェシ島,ニューギニア島.寄主:カワラタケ(サルノコシカケ科)から得られた記録がある.
  • 那須 義次, 玉嶋 勝範, 柴尾 学, 吉松 慎一, 内藤 尚之
    日本応用動物昆虫学会誌
    2010年 54 巻 3 号 115-126
    発行日: 2010/08/25
    公開日: 2010/08/28
    ジャーナル フリー
    1. モモシンクイガCarposina sasakii Matsumuraの合成性フェロモンの成分別誘殺数は多い順に,主成分(Z)-13-eicosen-10-one,主成分+微量成分(Z)-12-nonadecen-9-one(混合比率20 : 1),微量成分となった.実用的には主成分だけで誘引性は充分であるとした白崎ら(1979)とHan et al.(2000)の結果と一致するものであった.
    2. 1886年よりも後に確実な記録がなかったニッポンシロシンクイ(新称)Carposina niponensis Walsinghamが,和歌山県と大分県に設置したモモシンクイガのフェロモントラップに誘殺されることが判明した.本種はモモシンクイガと外部表徴で類似しているが,雄交尾器による識別は容易である.誘殺データから成虫の発生は9月下旬~10月上旬であることが示唆され,モモシンクイガの発生時期6~9月とは異なることが推察された.
    3. モモシンクイガのフェロモントラップには他に,コウスグロシンクイCarposina maritima Ponomarenko,コブシロシンクイMeridarchis excisa (Walsingham),オオモンシロシンクイM. jumboa Kawabe,チャモンシンクイPeragrachis syncolleta (Meyrick),シロモンクロシンクイCommatarcha palaeosema Meyrickも誘殺されることが判明した.中でも,コブシロシンクイ,オオモンシロシンクイとチャモンシンクイはモモシンクイガと外部表徴が類似しており,誘殺時期もモモシンクイガと重なるため注意が必要である.いずれの種も雄交尾器による識別は容易である.
    4. モモシンクイガの種小名として,sasakii Matsumura, 1900よりも早く公表されたpersicana Matsumura, 1897の存在が明らかになった.しかし,現在広く使用されている種小名の変更は,本種が果樹の重要害虫であることから応用分野で無用の混乱を引き起こすだけある.このため,モモシンクイガの種小名はsasakii Matsumuraが擁護され,persicana Matsumuraは遺失名となるように,国際動物命名規約の条23.9.3と条81により動物命名法国際審議会に裁定を付託する必要がある.
    5. 今まで,モモシンクイガの種小名sasakii Matsumura, 1900の新参異名とされていた,persicana Sasaki, 1905は同規約条57.2によりpersicana Matsumura, 1897の一次同名となり,新参であるpersicana Sasakiは永久に無効となる.
  • 寺田 剛
    蝶と蛾
    2013年 64 巻 1 号 18-26
    発行日: 2013/04/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    Sugiura and Yamazaki(2004)のStathmopoda属の1未同定種とこれに近縁であると考えられる種について検討し,S. aprica種群を認めた.また,このグループに含まれる1新種イヌビワマイコガ(新称)(S. fusciumeraris n. sp.)と日本新記録種ヒメイヌビワマイコガ(新称)(S. aprica Meyrick,1913)について記載および再記載を行った.両種は外見的特徴が互いに似ているため,成虫の外見的特徴,翅脈,雌雄交尾器を図示し,比較した.両種は外見的には胸部や前翅の斑紋で識別できる.また,ヒメイヌビワマイコガはKasy(1973)においてS. astricta Meyrick,1913と同種である可能性が指摘されているため,この2種についても外見的特徴,雄交尾器について比較を行った.その結果,両種は別種であると考えられた.ヒメイヌビワマイコガの寄主植物は未知だが,イヌビワマイコガはイヌビワ属3種を寄主植物とし,S. aprica種群の構成種の既知の寄主植物はすべてイヌビワ属である.Stathmopoda aprica種群 前翅は細く,R_1脈とCuA脈を欠く.雄の膜質の腹部第8節に発香総が発達し,交尾器のテグメンにペニキュリが発達する.雌交尾器のコルプス・ブルサエは2つのシグヌムを持ち,その内1つは2又となっている.本種群にはS. aprica Myerick,1913,S. crassella Walsingham,1891,S. astricta Meyrick,1913,S. ignominiosa Meyrick,1913,S. sycophaga Meyrick,1913,S. sycastis Meyrick,1917,S. ficivora Kasy,1973,S. ficipastica Bradley,1974,S. fusciumeraris n. sp.の9種が含まれる.1.Stathmopoda fusciumeraris n. sp.イヌビワマイコガ(Figs,1, 4, 6-10) 開帳12.7-19.2mm.前翅長6.0-9.3mm.胸部は黄色であり,前胸両側端に暗褐色,中胸中央後端に褐色の斑紋を持つ.前翅は黄色で,前縁は褐色.基部,2/5,3/4に褐色帯が走る.雄交尾器の
    エデアグス
    にはコルヌツスを持つ.雌交尾器のコルプス・ブルサエのブラとの接点付近に少数の小骨片を持つ.幼虫は寄主植物の隠花果に潜り,その内部や種子を摂食する.成虫は1-7,9-12月に発生する.本種はSugiura and Yamazaki(2004)によってStathmopoda sp.として扱われた種と同種である.分布:徳之島,沖縄本島,石垣島,西表島,与那国島;台湾.寄主植物:オオバイヌビワ,コウトウイヌビワ,ギランイヌビワ(クワ科).2.Stathmopoda aprica Meyrick,1913 ヒメイヌビワマイコガ(Figs 2, 5, 11-15) 開帳8.5-13.0mm.前翅長4.0-6.2mm.前種に似るが,前胸には斑紋が無く,中胸に黒褐色条が走る.前翅は橙色であり,前縁,基部,3/8,7/10に褐色帯が走る.前縁の条は太く,先端が2又となっている.雄交尾器の
    エデアグス
    にはコルヌツスを欠く.雌交尾器のコルプス・ブルサエに多数の骨片を持つ.本種はKasy(1973)においてS. astrictaと同種である可能性が指摘されていたが,頭部背面の色彩,雄交尾器のウンクス,グナトス,
    エデアグス
    先端の硬化部の大きさ,把握器基部のテグメンとの接点付近の太さによって識別でき,別種であることが確認された.成虫は2-3,5,7-10,12月に発生する.分布:屋久島,奄美大島,沖縄本島,石垣島,西表島,与那国島;スリランカ.寄主植物:不明.
  • 那須 義次, 枝恵 太郎, 富沢 章, 佐藤 顕義, 勝田 節子
    昆蟲.ニューシリーズ
    2016年 19 巻 3 号 77-85
    発行日: 2016/07/05
    公開日: 2019/04/25
    ジャーナル フリー

    日本で初めてコウモリのグアノを摂食するチョウ目ヒロズコガ科の3種,アトウスキヒロズコガMonopis crocicapitella,スカシトビイロヒロズコガ(新称)Crypsithyrodes concolorellaとウスグロイガNiditinea tugurialis,およびメイガ科の1種,カシノシマメイガPyralis farinalis,が記録された.アトウスキヒロズコガは越野(2001)によりMonopis sp.とされていたもので,今回学名が判明した.本種はキチン食性が強いと考えられた.スカシトビイロヒロズコガは日本新記録種であった.今回の調査においてケラチン食性が強いと考えられる種がコウモリのグアノから発生しなかったのは,グアノがコウモリの餌である昆虫の細破片からなり,主にキチン質であるためと考えられた.また,グアノから発生するヒロズコガ類の個体数が比較的多かったことから,グアノの分解者としてヒロズコガ類は重要であることが推測された.

  • 間野 隆裕, 小林 広成
    やどりが
    2006年 2006 巻 208 号 40-41
    発行日: 2006/03/20
    公開日: 2017/08/19
    ジャーナル フリー
  • 藤岡 知夫
    やどりが
    1993年 1993 巻 155 号 26-
    発行日: 1993/12/15
    公開日: 2017/08/19
    ジャーナル フリー
  • 寺田 剛
    蝶と蛾
    2013年 64 巻 4 号 140-149
    発行日: 2013/12/25
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    オビマイコガ(Stathmopoda opticaspis Meyrick,1931)とこれに近縁であると考えられる種について検討し,2新種シロオビマイコガ(新称)(S. albiornata n. sp.)とリュウキュウオビマイコガ(S. persona n. sp.)について記載を行った.3種は外見的特徴が互いに似ているため,成虫の外見的特徴,翅脈,雌雄交尾器を図示し,比較した.3種は外見的には胸部や前翅の色彩,斑紋で識別できる.また,シロオビマイコガはS. placida Meyrick,1908と外見的特徴,雌雄交尾器が酷似しているため,この2種についても比較を行った.その結果,両種は外見的には胸部の色彩で区別できることが明らかとなった.2新種は分布や生態についての情報が不足しており,さらに調査が必要である.1. Stathmopoda albiornata n. sp.シロオビマイコガ 開張8.9-11.8mm.前翅長4.0-5.6mm.頭部背面,胸部は黒褐色であり,中胸の後縁は白色.前翅は灰黒色で,基部付近,中央に白色帯が走る.雄交尾器の
    エデアグス
    には非常に多くの剌状突起と多数の小鋸歯を持ち,基部付近に硬化した構造を持つ.雌交尾器のブラには小鋸歯を欠く.幼虫はクヌギの堅果や殻斗,虫こぶから得られる.成虫は8月に発生し,3-4月ごろにも発生すると考えられる.南西諸島では10,12月にも記録がある.分布:本州,九州,奄美大島,沖縄本島.寄主植物:クヌギ(ブナ科).2. Stathmopoda persona n. sp.リュウキュウオビマイコガ 開張8.1-10.5mm.前翅長3.8-5.1mm.頭部背面,胸部は灰黄色であり,胸部中央に1対の白色の斑紋を含む大きな黒色の斑紋を持つ.前翅は灰褐色で,基部に黒褐色帯,1/5に白色帯,2/3に黄土色帯が走る.黄土色帯は後縁に向かって細くなる.雄交尾器の
    エデアグス
    には多数の刺状突起と小鋸歯を持ち,基部付近に少数の硬化した構造を持つ.雌交尾器のブラに少数の小鋸歯を持つ.成虫は4月ごろ発生すると考えられる.本種は村瀬(2007)においてオビマイコガに似たStathmopoda属の1種として扱われた種と同種であり,幼虫が寄主植物の葉の枯れた部分や朽ちかけの果実内で生活することが報告されている.分布:沖縄本島,石垣島.寄主植物:フクギ(フクギ科).3. Stathmopoda opticaspis Meyrick,1931オビマイコガ 開張8.7-11.4mm.前翅長4.0-5.3mm.前種に似るが,頭部背面,胸部は黄色であり,前翅の黄土色帯は前種より太く,後縁に向かって細くなる.雄交尾器は前種に非常によく似ており区別が困難である.しかし,雌交尾器のブラに前種より多くの小鋸歯を持つ.成虫は6-9月に発生する.分布:本州,四国,九州;ロシア南東部,朝鮮半島,中国.寄主植物:フトリュウビゴケ(イワダレゴケ科).
  • 那須 義次, 重松 貴樹, 広渡 俊哉, 村濱 史郎, 松室 裕之, 上田 恵介
    蝶と蛾
    2019年 70 巻 1 号 25-28
    発行日: 2019/04/30
    公開日: 2019/05/17
    ジャーナル フリー

    筆者らは我が国の様々な鳥の巣に生息している昆虫類の研究をおこない,多種の昆虫が鳥の巣に生息し,巣内共生系とも呼ぶべき特殊な生態系が成立していることを報告してきた(那須,2012;広渡ら,2012, 2017;那須ら,2012;Nasu et al., 2012;八尋ら,2013など).これら研究の過程で沖縄県の宮古島と南大東島の鳥の巣から日本新記録となるヒロズコガ科のSetomorpha rutella Zeller, 1852の発生を確認したので,成虫と雄交尾器の図とともに報告する.

    Setomorpha rutella Zeller, 1852ミナミクロマダラヒロズコガ(新称)(Figs 1, 2)

    前翅開張約12 mm.頭部の鱗粉はなめらかで,暗褐色.前翅は長方形,先端1/3が背方にやや折れ曲がり,地色は淡灰褐色で多数の黒褐色の斑点をもつ.後翅は淡褐灰色.雄交尾器:ウンクスは一対の滑らかな突起で硬化が弱い.バルバは大きく,先端に長い鎌状に曲がった突起をもつ.

    エデアグス
    は細長い.サックスは細長く,前方部は膨らむ.一対のコレマータをもつ.

    分布:世界の熱帯,亜熱帯域に分布(Diakonoff, 1938; Hinton, 1956; Robinson and Nielsen, 1993).日本:沖縄(宮古島,南大東島).(日本新記録)

    食性:乾燥葉タバコ,スパイス,豆類や貯蔵穀類などの乾燥した植物,ハチの巣,鳥の皮・糞,動植物質のデトリタス(Hinton, 1956; Gozmány and Vári, 1973).

    備考:本種が属するSetomorphinae亜科は日本新記録のヒロズコガ科の亜科である.本亜科は世界的に分布し,3属9種からなる小さな亜科で,成虫の頭頂の鱗粉が薄板状で,やや頭に押しつけられている,口器(口吻,マキシラリ・パルプス)が退化するなどの特徴をもつ(Robinson and Nielsen, 1993;坂井,2011).

    宮古島のリュウキュウコノハズクOtus elegans elegansの巣箱とリュウキュウアカショウビンHalcyon coromanda bangsiの自然巣から成虫が羽化した.羽化標本がRobinson and Nielsen (1993)などが図示した成虫と雄交尾器の形態が一致したので本種と判断した.本種はNasu et al. (2012)が南大東島のダイトウコノハズクOtus elegans interpositusの自然巣から記録したSetomorpha sp.と同じものである.

    幼虫は鳥の巣内では朽ち木屑や糞などの動植物質のデトリタスを摂食していたと推測される.英名Tropical tobacco mothが示すとおり,熱帯域の乾燥葉タバコと貯蔵穀類の重要害虫であるため,今後,鳥の巣だけでなく,我が国の穀類倉庫や屋内から発生して問題になる可能性がある.

  • 那須 義次, 川原 進
    蝶と蛾
    2004年 55 巻 3 号 209-216
    発行日: 2004/06/20
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    第2著者の川原により北海道東部から最近採集されたヒメハマキガ標本を検討したところ,Rhyacionia属の1新種と日本においてほとんど知られていないEndothenia quadrimaculana(Haworth)を認めたので報告する.Endothenia quadrimaculana(Haworth)ニセハッカノメムシガ(新称)(Figs 1,3,5)Kuznetzov(1993,1994,2001)とRazowski(2003)は,本種の分布域に日本を含めているが,我が国ではほとんど知られていなかった種である.分布:ヨーロッパ,ロシア,小アジア,カザフスタン,モンゴル,中国,日本(北海道).寄主植物:イヌゴマ属,ハッカ属(シソ科)など.ヨーロッパでは寄主植物の根あるいは地下茎に幼虫が食入することが知られている.我が国では幼虫は未発見.本種はロシア極東部と日本に分布するEndothenia menthivora(Oku)ハッカノメムシガに外部表徴で類似するが,より幅広い前翅をもつこと,前翅の地色が黄褐色であること,前翅の中央部から翅頂にかけて暗褐色の3角形紋をもつこと,♂ゲニタリアにおいて先端が幅広くなったウンクスをもつこと,より細長いバルバをもつこと,♀ゲニタリアにおいて大きな長方形のラメラ・ポストバギナリスをもつことで区別できる.Rhyacionia vernalis Nasu et Kawahara,sp.nov.アトシロモンヒメハマキ(新称)(Figs 2,4,6)本種は,奥(2003)によりRhyacionia sp.として岩手県から記録された種である.分布:日本(北海道,本州:岩手県).寄主植物:不明.川原は,日中,オニグルミ(クルミ科)の枝で静止していたり,枝上を飛翔している多数の成虫を観察しており,オニグルミが本種の寄主かもしれない.本種は他の近縁種と非常に異なった斑紋(前翅の地色が暗灰褐色,内縁に顕著な白色紋と内縁基部に白色線をもつ)をもつことにより,他種との識別は容易である.本種は特異な斑紋をもつことに加えて,♂ゲニタリアの左右のソキイが癒合し3角形の葉片を形成する,♀ゲニタリアではパピラ・アナレスが非常に大きく発達する,シグナが鎌状であるといった,他の近縁種にほとんど見られない特徴ももつ.これら特異な形質をもつため,奥(2003)は本種を仮にRhyacionia属においた.しかし,本種は本属の特徴である強く硬化した長くてわん曲した筒状の
    エデアグス
    および漏斗状のアントルムをもつことにより,本属の一員と見なされる.
  • 間野 隆裕, 吉安 裕
    蝶と蛾
    2013年 64 巻 1 号 36-41
    発行日: 2013/04/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    A new pteropholid species, Hellinsia muraseae, is described based on specimens from Honshu to Nansei islands, Japan. The larvae of the new species fed on Melanthera species (Compositae) along the seacoast. Field observation at Hidaka-cho, Wakayama Prefecture, Honshu, revealed that the species is multivoltine without a diapause stage and passed the winter in the 2nd to 4th instar larval stadia, continuing their feeding activities.
  • 西海 正彦
    やどりが
    2016年 2016 巻 249 号 13-15
    発行日: 2016/07/20
    公開日: 2018/01/01
    ジャーナル フリー
  • 新川 勉
    やどりが
    1993年 1993 巻 155 号 26-27
    発行日: 1993/12/15
    公開日: 2017/08/19
    ジャーナル フリー
  • 李 峰雨, 広渡 俊哉, 黒子 浩
    蝶と蛾
    2006年 57 巻 2 号 81-91
    発行日: 2006/03/20
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    Heliozela属は日本から2種が知られている(Meyrick, 1934; Kuroko, 1982)が,本属の成虫は前翅の斑紋が単純(後縁部に三角形の小斑紋をもつだけ)で種の区別が難しい.著者らは,近年長野県,奈良県,大阪府などで採集した標本を検討した結果,外観は類似しているが交尾器の形態によって識別できる5新種を認めた.本稿では5種の成虫および交尾器を図示・記載した.いずれも,コナラ属の樹木がある雑木林で採集したが,寄生植物については明らかではない. 1.Heliozela glabrata sp. nov. カツラギツヤコガ(新称)(Figs 1A, 2) 前翅長2.9mm(ホロタイプ).前翅は青銅光沢がある灰褐色で後縁部に2つの斑紋をもち,雄交尾器のバルバは楕円形.本種は他の種より,前翅前縁基部の腹面の長毛をもたないことで他の種と区別できる.本種は大阪府の和泉石城山で採集された.2.Heliozela brevitale sp. nov. トビイロツヤコガ(新称)(Figs 1B, 3) 前翅長2.8-3.2mm(ホロタイプ:2.9mm).前翅は青銅光沢がある灰褐色で後縁部に1つの斑紋をもつ.雄交尾器のトランスティラの突起が非常に短い,
    エデアグス
    の先端部に2つの対抗の突起をもつ,マニカに1対の指抗突起をもつことから他の種と区別できる.本種は長野県,大阪府で採集された. 3.Heliozela limbata sp. nov. アシオビツヤコガ(新称)(Figs 1C, 4, 5) 前翅長3.4-3.9mm(ホロタイプ:3.5mm).前翅は青銅光沢がある暗褐色で後縁部に2つの斑紋をもつ.本種は他の種と比べ,翅の色が濃く,脚の〓節に帯状の斑紋があることで区別できる.本種は長野県,奈良県,大阪府,和歌山県,長崎県で採集された. 4.Heliozela biprominens sp. nov. ウストビツヤコガ(新称)(Figs 1D, 6) 前翅長2.7-3.3mm(ホロタイプ:3.2mm).前翅は青銅光沢がある淡灰褐色で後縁部に1つの小三角斑をもつ.雄交尾器のウンクスに2つの小突起をもつ,トランスティラの突起が長い,マニカにある複数の大きいとげで他の種と区別できる.本種は長野県,奈良県,大阪府で採集された. 5.Heliozela angulata sp. nov. ミヤマツヤコガ(新称)(Figs 1E, 7) 前翅長2.7-3.4mm(ホロタイプ:2.7mm).前翅は青銅光沢がある灰褐色で後縁部に2つの斑紋をもつ.雄交尾器のバルバの前縁部が側方に張り出す,バルバ先端部が長く内方に大さく曲がる,トランスティラの突起が比較的大いことから他の種と区別できる.本種は長野県,奈良県で採集された.
  • 西海 正彦
    やどりが
    2018年 2018 巻 258 号 8-11
    発行日: 2018/10/10
    公開日: 2020/10/11
    ジャーナル フリー
  • 那須 義次, 坂井 誠, 川上 和人, 青山 夕貴子
    蝶と蛾
    2014年 65 巻 2 号 73-78
    発行日: 2014/07/29
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    The Lepidoptera fauna from nests of three bird species, Wedge-tailed Shearwater Puffinus pacificus (Gmelin), Bulwer's Petrel Bulweria bulwerii (Jardine and Selby) and Blue Rock Thrush Monticola solitarius (Linnaeus), breeding in the Ogasawara Islands, Japan, was investigated for the first time. Four moth species were identified; three tineids, Praeacedes atomosella (Walker), Crypsithyris sp., Erechthias sp. and one crambid, Spoladea recurvalis (Fabricius). Pr. atomosella was recorded from Japan for the first time, and Crypsithyris sp. and Erechthias sp. were also found to be species unknown from Japan. The larvae of Pr. atomosella and Crypsithyris sp. might feed on feathers (keratin) in the nests, and those of Erechthias sp. on dead leaves. The larvae of S. recurvalis might intrude into the nests for pupation. The three bird species nests may provide preferable habitats for the moths as well as a food resource.
  • 広渡 俊哉, 松井 晋, 高木 昌興, 那須 義次, 上田 恵介
    蝶と蛾
    2012年 63 巻 3 号 107-115
    発行日: 2012/09/30
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    Lepidoptera emerged from nests of the Bull-headed Shrike, Lanius bucephalus Temminck and Schlegel, in Minamidaitojima, Japan was investigated. A total of 56 individuals belonging to six species, Heleanna fukugi Nasu (Tortricidae), Opogona sacchari (Bojer)(Tineidae), Erechthias minuscula (Walsingham) (Tineidae), Anatrachyntis sp. (Cosmopterigidae), Ascalenia sp. (Cosmopterigidae), and Simplicia mistacalis (Guenee) (Noctuidae), were identified. One species H. fukugi, and possibly Ascalenia sp., were considered to utilize the nest as a pupation site, and larvae of the other 4 species were inferred to feed on dead plant material of the nests. Emergence from a bird nest is firstly reported in Simplicia mistacalis and Erechthias minuscula, and the latter species is recorded from Japan for the first time. Species composition of emerged moths differed from previously reported ones, which is characterized by a lack of keratinophagous and chitinophagous tineid moths such as Monopis and Niditinea species.
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