現在日本では,インフルエンザウイルス感染症に対する治療薬として,ノイラミニダーゼ(NA)阻害薬とキャップ依存性
エンドヌクレアーゼ阻害薬
が使用されている.しかし,これらの薬剤には既に耐性ウイルスの存在が報告されており,将来薬剤耐性を獲得した強毒性ウイルス,あるいは新型のインフルエンザウイルスによるパンデミックが生じることが危惧されるため,現在新しい抗インフルエンザ薬の開発研究が活発に行われている.本稿では,民間薬として知られるゲンノショウコの抗インフルエンザ活性に着目し,その評価と活性成分の探索を行ったChoiらの研究成果について報告する.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) 齋藤玲子,日耳鼻,
115, 663-670(2012).
2) Uehara T.
et al.,
J.
Infect.
Dis.,
221 346-355(2020).
3) Choi J. G.
et al.,
Sci.
Rep.,
9, 12132(2019).
4) Bastian F.
et al.,
Molecules,
23, 1346(2018).
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