近年、インタラクティブアートの研究が盛んに行われている。コンピュータミュージックにおいてはサウンド生成に遺伝的アルゴリズム(GA)や対話型遺伝的アルゴリズム(IGA)が多く用いられているが、作曲という作業をそのまま扱うことは困難である。本研究では、コンピュータによる作曲の手法として現代音楽の作曲技法である12音技法を用いた作曲システムを提案する。12音技法は、段階的に作曲する手法のためコンピュータでの作曲に適用しているという利点がある。12音技法での作曲の第1プロセスである12音音列の生成は、曲の主題や雰囲気を決定付ける重要なプロセスである。音楽理論である協音程・不協音程の関係を基にした適応度関数を設計し、GAで響きのよい音列の探索を行って12音音列の自動生成を行う。12音音列を生成するシミュレータが生成した音列と人が作成した音列の比較アンケートを行うことで本システムの有効性検証を行った。
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