義手は装飾·能動·作業·電動と様々なタイプに分けることができるが,使用者のニーズを考慮することなしに製作や処方を行ってしまうと,家庭生活や就労時を含めたADL上において使用するという本来の目的から逸脱する危険性があり,最悪なケースとしては使用中止(ドロップアウト)につながってしまうことも想定される.現在,日本国内で製作·使用されている義手の型式は90%近くが装飾用義手であり,能動や電動義手の使用率は10%にも満たないという現状がある.そのような状況の中で,成人の切断者に対して義手を使用しての(社会)参加を支援していくことについて考えることは,それに加えてQOLをいかに高めていけるかについても同時に考える必要があり,そのためには適切な型式の義手選択が必要となる.
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