サンシャインウェザーメータ試験のブラックパネル温度を標準よりも高くした場合の熱硬化性および熱可塑性樹脂塗装鋼板の塗膜の劣化挙動を, 外観変化および塗膜形成樹脂の化学的変化の観点から検討した。その結果, 次のことがわかった。
(1) ポリエステル樹脂系塗装鋼板の塗膜形成樹脂は, U
v×H
uまたはT
e×H
uの交互作用によってPhotooxidation型の劣化が進行し, 次の反応速度式が成立する。
1nγ≒-20,000/RT十30.44
なお, 試験温度が高くなるほど, 屋外暴露試験とは劣化の形態が異なる。
(2) シリコンポリエステル樹脂系塗装鋼板の塗膜形成樹脂は, T
e×H
uの交互作用によってPhoto-thermalreaction型の劣化が進行し, 次の反応速度式が成立する。
1nγ≒-30,000/RT+44.45
なお, 試験温度によって樹脂の劣化形態は種々変化する。
(3) ポリ塩化ビニル樹脂系塗装鋼板の塗膜形成樹脂は, T
eよりもむしろU
vやH
uの影響によってPhotooxidation型の劣化が進行し, 次の反応速度式が成立する。
1nγ≒-15,000/RT+22.00
なお, 塗膜の劣化形態はほとんど試験温度の影響を受けないが, 温度が高くなると塗膜われが発生しやすくなる。
(注) γ;促進倍率, R;気体定数, T;絶体温度, U
v;紫外線積算光量, H
u最高湿度積算時間, T
E;最高板温積算時間
抄録全体を表示