本報では色彩やデザインがジェンダーレスファッションに与える影響を検討するために , 視覚評 価実験を行った . 試料は白黒デザイン画像 293 種より , 女性的アイテム , ジェンダーレスアイテム , 男性的アイテムを各 5 着選出し , 男性の象徴色 3 色 , 女性の象徴色 3 色に色彩変換した 90 試料と した . 実験は , 女子大学生 50 名 , 男子大学生 50 名を対象に ,4 形容詞対を用いた SD 法による官 能検査とジェンダーレスファッション賛否についてのアンケートを行った . その結果 , ジェンダーに関連する形容詞対では色彩よりアイテムの影響が強く , 男性らしい , 女 性らしいという印象は色彩による操作がしにくいことがわかった . また , 男女間で評価差があるだ けでなく , 同性同士でもジェンダーレス肯定派と否定派とで評価に差があることが判明した .
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