サツマイモ塊根を家畜の飼料として活用するために,低コストで省工程,高品質に加工するための天日乾燥飼料化技術の可能性について検討した.慣行法として乾燥サツマイモを豚に給与することが行われていたが,飼料調製自体が多労で,多頭飼育には不向きなことから,一部を除き廃れてしまった.そこで,農業用プラスチックハウス内での天日乾燥による乾燥サツマイモの調製条件を捉えるために試験したところ,サツマイモの細切形状は千切りが適切で,コンテナ箱内容量の30 %を積載して多段式に設置する方法が有効であることがわかった.これにより晴天日を含む冬期間の7〜8日で,初期含水率70%w.b.から乾燥含水率8%w.b.まで乾燥することが可能であることを示した.また,一旦,コンテナ箱を多段式に設置すれば,乾燥期間中の操作は不要であるため省力的で,作業時間は生いも1t当たり14.3時間と試算された.乾燥サツマイモの飼料としての品質も標準的であった.したがって,サツマイモの収穫が終了した後の冬期間に,有効利用されない廃棄いも等を飼料用にハウス内で乾燥調製できる可能性が示された.
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