サポーターによる外的圧迫は傷害発生を予防する手段として広く用いられているが,傷害に関係する筋力学ストレスの軽減効果は十分に実証されていない.本研究の目的はサポーターによる外的圧迫が筋弾性に与える影響を検討し,局所圧迫が骨格筋の伸長ストレス軽減に有用であるか検討することである.若年健常男性11名の大腿直筋を対象にサポーターによる40mmHgの圧迫を加える条件とシャム条件,コントロール条件の3つにおいてせん断波エラストグラフィを用いて近位の着用部および遠位の非着用部における筋弾性を測定した.近位の筋弾性は膝角度と着用条件に有意な交互作用を認め,膝屈曲120˚において40mmHg圧迫条件の弾性率がコントロール条件よりも有意に低値を示した(p < 0.05).非着用部の遠位における筋弾性には膝角度の主効果のみを認め,着用条件の主効果および交互作用はみられなかった.以上より,サポーターによる外的圧迫は着用部位の力学ストレスを軽減する可能性が示唆された.
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