通常のニュートリノと逆向きのスピンを持つ未発見の粒子として、
ステライルニュートリノ
が理論的に予言されている。通常のニュートリノと異なり、弱い相互作用はせず、重力とのみ相互作用すると考えられている。したがって、
ステライルニュートリノ
はダークマターの候補となっている。現在までに実験的な検出報告はなく、精力的な探査が様々な手法で行われている。 X線天体を使った手法では、銀河団の観測から3.5keV付近に同定できない微弱な輝線が報告されている。
ステライルニュートリノ
の崩壊で生じた特性X線を捉えている可能性が否定できない。 2016年に打ち上げられたひとみに搭載された軟X線分光装置SXSは、このエネルギー帯域で過去最高のエネルギー分解能を達成している(~5eV)。そこで、この 3.5 keV 輝線の検証を原子由来の輝線の混入を避けて行うことができる。当研究では初期観測で得られたペルセウス銀河団のデータを用いた検証結果について報告する。
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