近年,ドライマウスに罹患している患者数は800万人から3000万人と推定される.しかし,認知度は低く,病気という意識がないため,患者自身が日々の苦痛を症状として感じておらず,発見が遅れたりすることも少なくない.そのため,二次的な病態として現れた口腔内疾患から発見につながることもあり,歯科医療従事者としてはドライマウスの知識と理解は必要不可欠であると考える.
本稿では,「歯肉からの出血」を主訴に当院へ来院し,口腔内診査を行った際の粘膜の乾燥状態や歯周治療,また問診等による“異変"からシェーグレン症候群の発見につながった症例を報告する.
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