市場間競争は新興市場のい場・廃止基準の設定に大きな影響を与えている.しかし,こうした基準が発行企業に与える影響についての分析は少ない.本稿の目的は,上場・廃止基準の違いが発行企業の新規公開費用(引受手数料,公開価格のディスカウント)に与える影響について,2000年から2002年までに新興三市場で公開した企業380社を対象に検証することにある.主要な結果は以下のとおりである.(1)新興三市場で新規公開費用が児なっている.(2)マザーズやナス
ダック
・ジャパンで公間した企業が支払う引受手数料はジャス
ダック
で公開した企業と比べて高い.(3)ナス
ダック
・ジャパンのグロース基準で公開した企業はその他の市場で公開した企業より初期収益率が高い.以卜の結果は,上場・廃止基準が厳しい市場で公開した企業ほど全体の新規公開費用が低くなることを意味しており,発行企業の市場選択や市場の基準設定に対し示唆を与える結果といえる.
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