本研究は,大学院生を対象とした授業の中でPCとUSBインタフェース「Makey Makey」,音源ソフトウエア「Soundplant」,および廃材を使った楽器制作を行い,図画工作・美術科における題材としての可能性を探ることを目的とした。授業は,先行作品の鑑賞,インタフェースの理解,楽器(コントローラ)の作成,アプリケーションの習得,音源(サンプリング)の準備,PCとの接続と音源の割り当て,そして演奏および鑑賞という工程を経て行われた。ICT機器と段ボールや針金,スポンジなどの廃材を組み合わせることにより,自由なイメージのかたちをデザインし,そこに環境音などの音声を割り当てることにより,個性的な楽器作品を完成させた。音源を探す工程では,身近な生活空間の中に音楽の要素となるような自然音が潜んでいることに気づき,それを切り出して創作につなげることにより,発想の幅を広げることが可能であることを確認した。
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