分析化学における利用を主目的として,錯形成反応に関するコンピューターデータベース作成及び応用プログラムの研究を行った.データベースの生成,変更,データの入力,検索などをオンラインで行うことのできるデータベース管理システムCOODを採用し,金属錯体の生成定数,錯形成反応の速度定数,配位子の酸解離定数などについてデータ項目などを検討した後,データ構造及びデータベース構造を決定して,データベースCORMECを東北大学大型計算機センターのACOS-6システム上に構築した.CORMECには六つのテーブル,ECCORS(平衡定数),RACOR(速度定数),DICCORS(配位子の酸解離定数),NALCOR(配位子名),CODCOR(データ編集者)を設定して,利用効率,検索効率の向上を図った.データベース利用の多様化を考慮して,データベースを検索すると同時に条件生成定数を計算する検索計算プログラム,検索と同時に条件生成定数-pH曲線,錯形成滴定の滴定曲線及び錯形成反応の濃度-時間曲線を作図する検索作図プログラムなどを開発した.又,これらのプログラムが実際に滴定条件の判定に有用なことを明らかにした.
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