はじめに
支援学校では発達指導の一環で
トイレットトレーニング
を実施している患児が、病棟ではオムツ内排泄をしているN氏を対象に継続した援助が必要ではないかと考えた。プレテストの結果と支援学校の
トイレットトレーニング
を実施した結果、排尿の確立が高い時間帯を知ることができた。今回、この時間帯において
トイレットトレーニング
を実施することにより、トイレットチェアーでの排尿の定着の一歩となったのでここに報告する。
目的
支援学校と連携し、個別性に応じた
トイレットトレーニング
を実施し、トイレットチェアーでの排尿の定着を図る。
方法
1.対象者:N氏 11歳女性 小脳性運動失調症 頸定不十分 遠城寺式で5〜6カ月
2.研究期間:平成22年9月〜11月
3.方法:
トイレットトレーニング
は、7回/日8:00、9:00、12:00、14:30、16:30、18:00、20:00とする
支援学校登校中は学校で、それ以外の時間帯は病棟で
トイレットトレーニング
を行い、結果はチェック表に記載する。
結果
トイレットトレーニング
の総回数は、338回であり、内157回が成功した。成功率は、46.4%であった。成功率の高い時間帯は、12:00、14:30、16:30が50%以上であった。支援学校登校時と土、日、祝日病棟の比較では、14:30が支援学校72.9%、病棟71%、12:00が支援学校63%、病棟42.8%であった。1週間毎の成功率の比較では、特に変化はなかった。
考察
トイレットトレーニング
の実施した時間帯は、N氏の排尿パターンにあった時間設定であり、取り組みとしてよかった。また支援学校登校中以外の時間においても、トイレットチェアーでの排尿ができ、1日を通して実施することによりQOLの向上につながった。
結論
1.支援学校通学中の
トイレットトレーニング
成功率は高かった。
2.N氏が覚醒している間、支援学校と連携した
トイレットトレーニング
によりオムツ内の排尿の減少につながった。
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