剥離性歯肉炎は,歯肉に剥離性びらんや浮腫性紅斑,小水疱を生じる歯肉病変で,その多くは閉経後の女性にみられる。第1報では,エストロゲンに類似した化学構造を持つエクオールに着目し,剥離性歯肉炎患者のエクオール産生能の欠如とエクオールサプリメントの1ヵ月摂取による症状の改善を報告した。本論文では,メインテナンスおよびSPTで定期的に来院している閉経後の剥離性歯肉炎患者を対象にエクオール摂取(10 mg/日)効果について摂取開始から6ヵ月以上経過した3症例について検討した。
エクオールの長期摂取により,尿中エクオール値の上昇,BOPの改善,歯肉の疼痛の軽減および肉眼所見の改善が認められた。剥離性歯肉炎患者に対し,エクオールサプリメントを摂取することは,本症に対する新たな治療法となる可能性が示唆された。
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