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クエリ検索: "ネアンデルタール人"
431件中 1-20の結果を表示しています
  • 遠藤 萬里
    人類學雜誌
    1971年 79 巻 3 号 249-258
    発行日: 1971年
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    Sinanthropusの上腕骨における三角筋粗面は狭く,稜を二本しか伴わないという特徴がWEIDENREICH (1941)とWOO & CHIA (1954)によって報告されている.しかし,これまではネアンデルタール期人類についてはこの粗面の観察が非常に少なかった.筆者(1970)は,すでに,イスラエル発見のAmud人(ネアンデルタール期)についてSinanthropusと同様な観察結果を報告したが,比較資料の不足のため,明瞭な結論を示しえなかった.この報告は,1970年に筆者がレバノン滞在中えた現代レバノン人(Mt.Carmel人Amud人の出土地点に近い)上腕骨の資料をもとに,上記の問題を一般の
    ネアンデルタール人
    にひろげて検討したものである.
    〔材料〕現生人資料:晒上腕骨,西アジア•レバノン国現代人男性39側.
    ネアンデルタール人
    資料:上腕骨石膏模型-Düsseldorf(=Neanderthal)右,La Quina V左右,Spy I左右,Spy II左右(以上ヨーロツパ);Shanidar I左,Skhul IV左(以上西アジア)。上腕骨化石-Amud I左右(西アジア).
    〔観察〕まず粗面の幅についてみる.ヨーロッパの「クラシック」
    ネアンデルタール人
    の三角筋粗面は狭く,西アジアの
    ネアンデルタール人
    の粗面は前者より広いことが直視的にも理解することができる(図1).後者はレバノン人のそれに近いようである.これらの粗面をモアレ法による0.5mm間隔等高線写真でみると更に明瞭にわかる(図2).すなわち,前者の狭い緩傾斜面と後者の広い緩傾斜面がそれぞれの粗面を示している.この特徴を量的に表現するため,上腕骨最大長の5/12分割点における三角筋粗面幅と骨体周径を計測する.前者の絶対値と両者の比についてみると,表1の如く上記の観察と一致し,さらに西アジア
    ネアンデルタール人
    の粗面がレバノン人の粗面の狭い部類に入ることがわかる.上記の両変量について相関図を作り,現代レバノン人の回帰直線と粗面幅観測値の信頼限界線を描いてみる(図3).ヨーロッパ
    ネアンデルタール人
    の粗面幅は99%限界のはるか下に分布し,レバノン人と有意に異る。西アジア
    ネアンデルタール人
    においては,Skhul IVの値は95%限界内に,他は95%線と99%線の間に入る。次に粗面上の稜についてみる.石膏模型での観察は正確とはいえないが,とにかくすべての
    ネアンデルタール人
    の粗面には第三の稜は認められない.一方現代レバノン人では第三稜の明瞭なものが71.8%,痕跡的なものを含めると92.3%に及んでいる.明瞭な第三稜についての
    ネアンデルタール人
    と現代レバノン人の出現頻度の有意の差は明らかである.
    〔議論と結論〕現代レバノン人上腕骨における上記の特徴はサピエンス一般に通じる傾向の特徴と考えられる.ここにおいて,Erectus期人類のSinanthropusにおける三角筋粗面の狭く,二稜性であるという特徴は,その後のNeanderthal期人類のヨーロッパの「クラシック」ネアンデルタールにも存在し,Sapiens期人類においては広く,三稜性の特徴に変っていることが推定される.西アジア
    ネアンデルタール人
    の粗面は,これらの点で,ヨーロッバ
    ネアンデルタール人
    よりむしろSapiens期人類のそれに近づいていると考えられる.三角筋粗面の第三稜については,KOBAYASHI(1967)が日本人において30才以上で明瞭となる特徴であると述べているため,これらの
    ネアンデルタール人
    の若いことを示している可能性もある.
    これまでヨーロッパ
    ネアンデルタール人
    では一般に三角筋粗面の発達は良いとされてきた.しかし上記の結果は反対に発達が悪いことを示すものと考えられ,さらに従来の報告にみられる鎖骨の細さや肩峰の狭さとともに三角筋の発達が悪いことを考えさせるものである.すなわち,Sinanthropusと同様にヨーロッパ
    ネアンデルタール人
    では三角筋の発達が弱く,現生人と異る.しかし西アジア
    ネアンデルタール人
    の三角筋の発達は現生人のそれに近づいていると思われる.さらには,「クラシック」
    ネアンデルタール人の上腕の外転挙上能力は西アジアネアンデルタール人
    や現生人より劣ることが想像される.
  • 井上 晴夫
    光化学
    2023年 54 巻 3 号 162-163
    発行日: 2023/12/26
    公開日: 2024/06/28
    ジャーナル 認証あり
  • 木村 賛
    人類學雜誌
    1976年 84 巻 1 号 48-54
    発行日: 1976年
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    アムッド人(西アジア地域で1961年に発見された
    ネアンデルタール人
    )の手骨の記述および検討は著者によってなされた(ENDO and KIMURA, 1970)。アムッド人にはほとんど完全な第1中手骨が一本発見されている。この骨を著者は左側と記載した。チェコスロバキアのVLCEK博士は1975年にこの骨が右側であることを指摘した。著者は先の誤りを認め,アムッド人の第1中手骨の記載の訂正をこの文において行う.1970年の論文中の該当箇所はこの文にある通り読み替えられるものとする。
    この記載訂正のために,著者は現代インド人,現代日本人および縄文時代人の第1中手骨の観察を行った。これにより左右差の記載を主に関節面と筋付着部の形態から行った。またアムッド人によく発達している母指対立筋の付着部について特に検討を加えた。この筋付着部はSARASIN(1932)によってヨーロッパ
    ネアンデルタール人
    の特徴の一つとされたものである。しかしながら著者はこの筋付着部が他の化石人骨や縄文時代人にもよく発達していることを見た。従って母指対立筋付着部は
    ネアンデルタール人
    のみに発達しているものではなく,先史時代人一般によく発達しているものといえるのではないかと思われる。
  • ―アジア東部を中心に―
    澤藤 りかい, 蔦谷 匠, 石田 肇
    Anthropological Science (Japanese Series)
    2022年 130 巻 1 号 55-74
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/06/24
    [早期公開] 公開日: 2022/04/22
    ジャーナル フリー

    アジア東部は更新世の後半においてホモ属の多様性が高かった地域であり,ホモ・エレクトス,ホモ・フロレシエンシス,ホモ・ルゾネンシスなど様々なホモ属が生息していた。また,デニソワ洞窟の指骨の古代DNA分析から同定されたデニソワ人や,中期–後期更新世に中国地域に生息していた様々なホミニン,台湾沖の海底から見つかった澎湖人など,他の種との系統関係が不明なものもある。一方で,ホモ・サピエンスは21–6万年前頃と6万年前以降にアフリカから他の地域へと拡散し,アジア東部へと到達した。多様なホモ属とホモ・サピエンスはアジア東部で共存していたのだろうか。本研究では,

    ネアンデルタール人
    やホモ・サピエンスも含め,アジア東部において様々なホモ属が,どの地域にいつ生息していたのかに焦点を当て,特に人類化石の出土している遺跡について,現時点で最新の知見をレビューする。また,化石記録だけでなく,デニソワ人や
    ネアンデルタール人
    ,ホモ・サピエンスの遺伝的情報や拡散時期などに関しても概説し,現時点での知見を整理する。最後に,今後ホモ属の系統推定や分類群同定に使われるであろう新たな手法(古代プロテオミクス・土壌の古代DNA)について述べる。

  • 唄 邦弘
    美学
    2012年 63 巻 1 号 184-
    発行日: 2012/06/30
    公開日: 2017/05/22
    ジャーナル フリー
  • 楢崎 修一郎
    霊長類研究
    1997年 13 巻 2 号 161-172
    発行日: 1997年
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
    Since the study of mithocondrial DNA regarding the origin of modern humans, the fate of the Neandertal has been debated. Currently, two famous models are present such as the Out of Africa model and the Multiregional Evolution model.
    This papar reviewed the past and current studies of morphological research on the Neandertal and the new dating of the several sites in Europe and Mddle East. Also, tested the ecological theory of symbiosis hypothesis (mutualism and commensalism) and competition hypothesis (habitat segregation and food segregation). Only Out of Africa model is applicable to both symbiosis hypothesis and competition hypothesis.
    The present author favored the competition hypothesis.
  • スバンテ・ペーボ博士 古代人ゲノム解読による古人類学への先駆的貢献
    学術の動向
    2020年 25 巻 8 号 8_69-8_71
    発行日: 2020/08/01
    公開日: 2020/12/18
    ジャーナル フリー
  • 村瀬 浩貴
    繊維学会誌
    2014年 70 巻 2 号 P_45
    発行日: 2014/02/10
    公開日: 2014/02/15
    ジャーナル 認証あり
  • 石田 英實, 木村 賛, 相見 滿, 五百部 裕
    霊長類研究
    2022年 38 巻 1 号 59-63
    発行日: 2022/06/20
    公開日: 2022/06/25
    ジャーナル フリー
  • 浅見 忠男
    化学と生物
    2017年 55 巻 8 号 513
    発行日: 2017/07/20
    公開日: 2018/07/20
    ジャーナル フリー
  • 笹川 一郎
    地学教育と科学運動
    2025年 94 巻 49-57
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/08/22
    ジャーナル フリー
  • アンドリウス, 小牧 實繁
    人類學雜誌
    1927年 42 巻 3 号 105-113
    発行日: 1927/03/25
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
  • 木村 賛
    Anthropological Science (Japanese Series)
    2019年 127 巻 2 号 81-94
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/12/18
    [早期公開] 公開日: 2019/11/30
    ジャーナル フリー

    中期旧石器遺跡としてのアムッド洞窟は,1960年に東京大学西アジア洪積世人類遺跡調査団(略称西アジア調査団)の先遣隊としてイスラエルにおいて遺跡調査を行っていた渡辺仁東京大学講師によって発見された。鈴木尚東大教授を団長とする調査団は1961年と1964年にこの遺跡の発掘を行い,

    ネアンデルタール人
    であるアムッドI号全身骨格を始めとした人骨,それに共伴する多数の中期旧石器および加工石材と獣骨とを発見した。その成果は1970年に単行本として発表されている。アムッド遺跡は,人類進化過程とくに解剖学的現代人の起源と伝播そしてその前段階の旧人との関係を調べるために,まさにその時代とその場所に位置する重要な遺跡である。西アジア調査団の発掘から30年後の1991年から1994年にかけて,イスラエルの調査団がこの遺跡の再発掘を行い14個体の人骨を発見している。その30年前の発掘時には行えなかった,年代測定,遺跡の空間利用,キャッチメントなどの新しい研究が進んでいる。このような再発掘を可能としたのは,西アジア調査団が後世の新しい発想や技術による再発掘のために充分な堆積を残しておいたからである。最初の発掘と30年後のものとのあいだの層序や発掘区画が連続し整合性があるのは,西アジア調査団の発掘基準点と層序解析が厳密に決定・記録されていたからであった。

  • NHK取材班「福島第一原発事故の『真実』」が大賞に 優秀賞は3作品
    青柳 かおり
    日本科学技術ジャーナリスト会議 会報
    2022年 2022 巻 104 号 2-
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/09/23
    解説誌・一般情報誌 フリー

     優れた科学報道や科学者らによる啓発的な著作、科学コミュニケーション活動などに贈られる「科学ジャーナリスト賞 2022」の贈呈式が、6月4日、東京・内幸町のプレスセンターで開かれた。17回目となる今回は大賞1作品と優秀賞3作品が選ばれた。大賞が選ばれたのは2019年以来、3年ぶり。

         

    科学ジャーナリスト賞2022受賞作品

    大賞

     「福島第一原発事故の『真実』」

       NHK メルトダウン取材班(書籍)

    優秀賞

     「なぜ君は病に…社会的処方 医師たちの挑戦」

       下野新聞取材班(代表・大塚順一)(新聞)

     「早すぎた男 南部陽一郎物語 時代は彼に追いついたか」

       中嶋彰(書籍)

     「

    ネアンデルタール人
    は核の夢を見るか〜“核のごみ”と科学と民主主義~」

       北海道放送・山﨑裕侍(映像)

  • 藤田 尚
    老年歯科医学
    2005年 20 巻 1 号 81-84
    発行日: 2005/06/30
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
  • 宮原 一成
    英文学研究
    1997年 74 巻 1 号 15-27
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2017/04/10
    ジャーナル フリー
  • 米田 幸雄
    日本衣服学会誌
    1996年 39 巻 2 号 97-100
    発行日: 1996年
    公開日: 2024/03/28
    ジャーナル フリー
  • 米田 穣
    化学と教育
    2013年 61 巻 7 号 354-357
    発行日: 2013/07/20
    公開日: 2017/06/30
    解説誌・一般情報誌 フリー
    現生人類は多様な食生態を有しているが,その生物学的特徴がどのような進化を経て獲得されたかについては,明らかになっていない。人類化石や遺跡から出土する古人骨で,炭素や窒素,ストロンチウムなどの同位体を測定することで,絶滅した化石人類や過去の人類集団の食生態が徐々に復元され,その謎が解き明かされつつある。また,個人の移動履歴から婚姻ネットワークを復元するなど,古人骨の同位体情報を用いた新たな研究も展開している。
  • 青柳 かおり
    日本科学技術ジャーナリスト会議 会報
    2022年 2022 巻 103 号 5-
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/06/30
    解説誌・一般情報誌 フリー

     「科学ジャーナリスト賞2022」の大賞1作品と、優秀賞3作品の受賞が、4月16日、プレスセンターで開かれた最終選考会で決まった。「科学ジャーナリスト賞」は優れた科学報道や著作、コミュニケーション活動に贈られ、今回が17回目となる。特に優秀な作品に贈られる大賞が選ばれたのは、2019年以来、3年ぶり。

    科学ジャーナリスト賞2022 受賞作品

     大賞 「福島第一原発事故の『真実』」 NHKメルトダウン取材班 (書籍)

     優秀賞 「なぜ君は病に…社会的処方 医師たちの挑戦」 下野新聞取材班(代表・大塚順一) (新聞)

     優秀賞 「早ぎた男 南部陽一郎物語 時代は彼に追いついたか」 中嶋彰 (書籍)

     優秀賞 「

    ネアンデルタール人
    は核の夢を見るか ~“核のごみ”と科学と民主主義~」 北海道放送・山﨑裕侍 (映像)

  • ―古人類学と生物音響学―
    西村 剛
    Anthropological Science (Japanese Series)
    2008年 116 巻 1 号 1-14
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/06/30
    ジャーナル フリー
    ヒトの話しことばにみられる連続的で変化に富んだ音声は,他の霊長類の音声とは異なり,言語で整理された多種多様な情報のすばやい効率的な伝達を可能にする。ヒトは,ヒト以外の哺乳類とは異なり,脳で作られた音声計画に合わせて音声器官の運動を随意に制御し,声道形状を的確なかたちへと連続的に変化させて,話しことばをつくりだす。古人類学的研究では,その話しことばに関連すると考えられる形態学的特徴を探し出し,その特徴に関する古人類の比較形態学的分析を通じて,言語の起源が論じられてきた。一方,ヒト以外の霊長類における音声器官の比較形態学的研究や音声の生物音響学的研究の進展は,話しことばの生物学的基盤は,ヒト系統以前から,それとは関係のない別々の適応を経て現れたというモザイク進化モデルを描き始めた。今後,両研究アプローチによる知見の蓄積とともに,それらが運動学的分析のもとに統合されることを期待したい。それにより,話しことばの解剖学的基盤の何がヒト特異的であるのか,あらためて浮き彫りになるだろう。その実証的知見が古人類学的研究へ還元されるとき,話しことばを含む言語の長い進化プロセスの解明への新たな一歩がふみ出されるに違いない。
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