本研究では,乗用車車体形状の類似性の判定構造を探るため,まず数個の形態要素からなる幾何図形の分類に関する調査を行い,図形の形状がどのような根拠で類別されているかにより4つの類似性の判定モデル((1)「構成要素の特性の違い」,(2)「形の分類」,(3)「形の成り立ち」,(4)「形態の印象」)を抽出した。このうち,(1)(2)(3)のモデルを対象に別の幾何図形を用いた類似性の判定調査からその妥当性を確認した。この結果,類似性の判定モデルとして(1)と(2)が確認され,後者が判定の過程において優位に働くことがわかった。以上の知見をもとに,実存の乗用車を用いて同様の調査を行なった結果,乗用車の車体形状においても同様の判定モデルにより類似性の判定が行われていることが明らかになった。
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