欧州の主要空港を中心に離着陸料を用いて、低騒音機を誘導する試みが行われている。本論は騒音性能による離着陸料の差別化と航空会社の航空機選択の関係を分析する。空港の運航情報と航空機の性能データを用いた分析の結果、騒音性能による離着陸料の変化率と料金水準が最も高い
ヒースロー
空港において、航空会社は騒音性能の高い機体を使用していることが明らかになった。一方で、スキポール空港やシャルル・ド・ゴール空港の離着陸料は、騒音性能により料金を差別化しているものの、航空会社は他の空港と比較して低騒音の機体を使用していない。この結果は、離着陸料の差別化により低騒音機を誘導するためには、高水準の離着陸料を騒音性能により大きく差別化する必要があることを示唆している。
抄録全体を表示