ビスカスカップリング
の中で, ジメチルシリコーンオイルがトライボケミカル反応によりゲル化し粘度増加することを前報までで明らかにしてきた。本報では, ゲルの形態を調べ, 劣化挙動を総合的に概括することを目的に研究した。
ビスカスカップリング
を用いた実機台上試験を行い, 試験後オイルを詳細に分析したところ, 生成したゲルはサブミクロン程度の微小であり, さらにゲルを除いたオイル部分は粘度が低下していることが観察された。すなわち, ジメチルシリコーンオイルはゲル化と並行して低分子化を起こし, 劣化オイルは低粘度化したオイルと, その中でくっつきあって存在する微小ゲルとからなることがわかった。粘度への影響はゲルの方が支配的で, 無添加のジメチルシリコーンオイルは増粘傾向を示す。特定の硫黄系極圧剤を添加したオイルではゲル化が防止され, 分解による粘度低下のみが観察された。また, ゲル化により粘度増加したものは, 100s
-1までの比較的低せん断速度領域での見かけ粘度の低下が著しいことを示した。
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