原子力利用は,地球環境問題,エネルギー自給率,エネルギーコスト等,いわゆる3Eの観点で,その重要度を増しているように思う。一方,放射線の人体への影響や,放射性廃棄物の処分見通し等に対する社会的不安があることも事実である。そこで,原子力利用に関する社会的受容性を高め,社会的利益を最大にするにはどうすべきかとの課題に突き当たる。この課題に対しては,それぞれの組織の立場や業態により多様な対応方法が考えられるが,対応の根底となるのは組織の文化や倫理である。そこで,原子力発電事業者として文化や倫理がなにを目指すのかとの視点で考察を加えることとした。
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