流体力を補償する目的で円錐形
ポペ
ットの先端あるいは外周に設けたつばの効果について調べた. 前報では, つばの外径弁頂角,弁座からつばまでの距離および下流弁室の広がり角を違えた代表的な
ポペ
ット弁について, 流量特性, スラスト特性およびキャピテーションの発生に対するつばの影響を明らかにした. そこで第2報では,
ポペ
ット弁を半分に切断し透明なアクリル板をかぶせた半割りモデルを用いた実験により, つばの効果をより基礎的に追究しそのメカニズムを明らかにする. キャビテーション状態の流れを写真撮影し,
ポペ
ット表面に沿った圧力分布を詳細に測定し, それをポベット表面の全体あるいは一部分に沿って積分しスラスト成分を求めた. 検討結果より,以下のことが明らかになった. (1) 噴流の衝突によるつば面上の圧力上昇により, 広がり流れの場合には流体力は充分に補償される. (2) キャビテーションの発生に伴って生じるスラスト係数の変化は, つば面の圧力分布の変化によるものである. (39) 広がり流れの
ポペ
ット弁の場合, つば位置が弁座に近づくと, 流体力補償効果が減少する原因が明らかになった. (4) 狭まり流れの
ポペ
ット弁の場合, つば位置の違いはスラスト特性に対して大きな影響をおよぼさない.
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