本論文は, ユーザによりフィルタリングされた情報の共有と, Web検索エンジンの特徴の利用によって, より質の高いWeb検索への実現を論じたもので, 全6章より構成される.第1章「序論」に続き, 第2章「情報検索」では, 情報検索を行ううえで必要な基礎的技術について述べ, 第3章「Web検索」では, 従来のWeb検索に関する現状と課題について述べている.第4章「ブックマークエージェント:協調的情報フィルタリングによる情報検索」では, ユーザの特徴を表す情報がブックマークであると考え, 協調的情報フィルタリングを用いてユーザグループ内での情報検索の質的向上を実現する手法としてブックマークエージェントを提案している.実験を行った結果, ユーザの記憶を補い, グループ内における知識の貯蓄に適していると結論づけている.第5章「MetaWeaver:検索エンジンの専門分野に適応する
メタ検索エンジン
」では, 暗黙的な検索エンジンの専門分野を発見し, それを利用して検索エンジンの結果を有効利用する
メタ検索エンジン
MetaWeaverを提案している.MetaWeaverは, その検索語のヒット数によって検索エンジンの専門性が測れるとし, それを検索エンジンの特徴を表す情報として利用している.MetaWeaverは, 検索エンジンの専門性を考慮して, 適合するWebぺージを検索して上位に提示できることから, さまざまな分野における情報検索に適用できることを述べている.最後に第6章「結論」では, 本研究で得られた知見をまとめ, 結論を述べている.
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