1. 2年生の
モモ
(大久保), ブドウ (デラウェア), カキ (富有), イチジク (マスイドーフィン), クリ (筑波) および温州ミカン (南柑4号) を供試して, 同化箱を用いた通気法によつて光合成速度を測定した.
2. 同化箱への通気量を種々に変えて, 通気量と光合成速度との関係をみたところ,
モモ
, ブドウおよびクリでは毎分1
l, また, カキ, イチジクおよび温州ミカンでは毎分2~3
lで光合成速度は極大を示し, その後前者ではゆるやかに低下し, 後者ではほとんど変わらなかつた.
3. 各種果樹の光飽和点は,
モモ
, カキ, イチジク, クリおよび温州ミカンで約40klux, ブドウでは30kluxであり, 補償点は1~3kluxの範囲にあつた.
生育期間中の受光量が低下するとともに, 葉面積は著しく増加したが, 葉身およびさく状組織の厚さ, 気孔数, 光合成速度および光飽和点は低下した.
4. 葉温が光合成速度に及ぼす影響をみたところ, ブドウおよび温州ミカンは25°Cで, また,
モモ
は30°Cで最大となり, それ以上の温度になると光合成作用が低下する傾向を示した. いつぼう, カキおよびクリでは20°Cのときに最高となり, それ以上では, 温度の上昇に伴つて光合成速度の急激な低下を示した. また, イチジクの場合には, 30°Cまではほとんど変わらず, 30°C以上になると急激に低下した.
抄録全体を表示