1) 2種の食用褐藻, マツモHeterochordaria abietinaとコンブLaminaria japonicaから5%水酸化ナトリウム抽出たん白質の精製を行い, 淡緑を帯びた白色粉末のたん白質を得た。それらの窒素含量は, それぞれ11.7%と10.4%であった。
2) アルカリ可溶たん白質のアミノ酸組成と原藻中のアミノ酸組成を比較した。アルカリ可溶たん白質では両者間にきわめて高い類似性があり, かつ卵白アルブミンのアミノ酸組成との類似性も認められた。
3) それらのアミノ酸価は, マツモ95 (T), コンブ73 (T) であり, E/T比はそれぞれ2, 779 (マツモ), 2, 989 (コンブ) であった。
4) ペプシン, パンクレアチン, プロナーゼによる消化性は, カゼインの消化率を100とするとマツモは5時間消化では, それぞれ42.7%, 68.3%, 97.8%であり, 24時間消化では, 85.0%, 100%, 100%でかなりよい結果を得た。コンブは, 5時間では8.8%, 54.0%, 69.2%であり, 24時間では25.1%, 71.2%, 83.8%で, マツモにくらべて悪く, 両者のたん白質の消化性に明らかな差が認められた。
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