最近感光性高分子が産業界のいろいろな部門で注目されている。印刷業界はいうまでもないが, 化学, ペイント, 製紙, 合繊, 金属, 電機などいろいろな種類の業界がメーカーサイドあるいはユーザーサイドのいずれかにたって, 感光性高分子の開発利用を試みている。そのうち印刷産業では, 感光性高分子を製版工程に利用することによって, 工程の簡略迅速化をはかると同時に, 現在大きな問題になっている製版材料中のクロムや鉛の公害をとり除こうと考えている。現在感光性高分子の製版材料としての実用化は, まだその緒についたばかりであるが, オフセット版や感光性樹脂凸版の領城で, その使用は急速に増大することが予想され, 今後の印刷技術の発展に感光性高分子の果す役割は非常に大きいと思われる。最近行なった印刷材料適性セミナー・ヨーロッパ視察の結果では, ヨーロッパにおいても製版用感光材料としての感光性高分子の使用は, ますます増加する傾向にあることがわかった。
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