本研究は, サービス業の流通産業 (卸・小売業), 中でも小売業を対象としたIT活用による生産性向上を目標とし, センサ技術を活用した顧客グループ認知システムによって把握した顧客属性に基づく的確な販売促進を行うことで売上向上=売場生産性向上の実現を目指すものである。換言すれば, 工学的なアプローチによる科学的な意思決定を可能にする試みである。
本稿では, 既存の顧客グループ認知システムを改善した結果を報告する。具体的には, 改善対象の既存システムは顧客の単一方向の移動にのみ対応した, いわば実験的なシステムであったが, 本研究ではこれを双方向対応可能にすることで小売店舗内の実状に即した, より実用的なシステムとした。
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