今回の学習指導要領改訂による小学校理科の大きな変化は低学年理科の廃止と生活科導入であるが, その背景には, 子どもの体験不足の実態がある. それにより, 中高学年理科での内容の過密が問題となっている. また, 大学入試の直接的な影響は少ないにしても, 正解は一つ,
一発試験
でできなきゃだめ, といった試験観, 上級学校に入るために覚えるのが勉強, といった学習観は小学生にも根強く浸透しており, じっくり考えることを避ける傾向がある. さらに, 受験低年齢化や他の社会の変化と相まって, 幼児から小学生の体験不足, しつけ不足といった弊害も生んでいる.
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