Candidaは義歯装着者に多く認められ, 義歯性口内炎や根面う蝕などの口腔内疾患のみならず, 高齢者の嚥下性肺炎など, 全身疾患との関連が報告されている。したがって, 義歯を可及的に清潔に保つことが重要である。現在は, 義歯洗浄剤を使用する化学的洗浄法が広く普及しているが, 義歯洗浄剤の誤用, 誤飲などの報告もあり, より安全で効果的な洗浄法が望まれる。一方, オゾンは強い殺菌力, 脱臭力を持つ気体で, 耐性菌を作らず, 作用後も有害な化学物質を残さない。また, 水中に溶存させるか, あるいは水中に微細な気泡 (オゾンバブル法) として供給すると, 低濃度で, 高い効果が得られる特徴も合わせもっており, 義歯の洗浄・殺菌に適していると考えられる。
そこで, 今回は
Candida albicansを対象として, オゾンバブル法の殺菌効果について検討した。
基準株, 臨床分離株など3種類の
C. albicansに対して, オゾン濃度を3段階に変化させ, その生存率を調べた。
その結果, 基準株と臨床分離株ともにほぼ同様の殺菌効果を示し, 99%不活化時間は, オゾン濃度23ppmでは約30分, 41ppmでは約20分, 49ppmでは約15分であった。本研究により, オゾンバブル法は
C. albicansの殺菌に有効と思われた。
抄録全体を表示