日本においてWebアーカイビングの重要性が指摘されてから10年以上経過しようとしている。ところが,現実にはなかなか進展が見られないといってよいだろう。そのような現状をかんがみ,本稿では,まず,国立国会図書館が取り組んでいるWebアーカイブ事業の現状と課題を述べる。そして,わが国においてWebアーカイブを進展させるためには,法制度に基づく包括的収集の実現を目指す一方,それを補うかたちで,運用面で他機関との協力関係を結びながら選択的収集を強化する必要があることを海外動向と比較しつつ論じる。
抄録全体を表示