若年層の大衆魚に対する嗜好性をいわしとあじの生および生干しを用いた7試料の官能検査により検討した.東京, 香川, 大分在住の女子299名が7試料すなわち, 生姜煮 (1), トマトソース煮 (2), すし (3), ピザ (4), いり卵 (5), サラダ (6), から揚げの南蛮漬風 (7) をそれぞれ食味テストした.試料1, 2, 3は他の4試料よりも特に東京での評価が良く香川, 大分のそれより高かった.試料4は「少し良い」5, 6は「普通」の評価で, その値は3地域において類似していた.試料7は, 「少し悪い」評価であった.これらのことは, 試料7を除く6種の料理が若年層に受け入れられたことを示している.
重回帰分析から, うま味と口あたりが外観, 匂い, 塩から味よりも強く総合評価に影響していることがわかった.
これらの結果から, 若年層には, 大衆魚特に, いわしとあじを用いた新奇性に富んだ料理は容易に受け入れられるといえる.
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